この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
遅すぎた恋
第4章 思えば思うほど…
「…どうぞ。」
2度目の彼の家は、この前よりも少し変わっていた。
コルクボードに…あの元カノがいない。
じっと見つめていると、彼が腰を下ろしながら
少しながら笑った。
「桜さんが…捨てて欲しそうだったから。」
「…別に、そんなこと…」
20代後半になってまで
こんなにも嫉妬するものだとは思わなかった。
遼太のときでさえ、そんなに嫉妬する事もなく
あっけらかんとしてたはずだった。
何もなくなったコルクボードは…
すこし寂しかった。
「今度、桜さんとプリクラ撮ろうかな。
沢山、桜さんで埋めてあげるよ」
そう笑った飛鳥君に、少し照れながらも
私は冗談めいて頭を少し叩いた。
ニヒッと言う表現がぴったりな程
可愛らしく笑う彼を…私はこれほどまでに愛おしく思う。
隣に座ると、何も言わなくとも手を握られる。
「…俺ね、桜さんを初めて見つけた日から
桜さんの事忘れられなかったんだ。
…高校生だから…相手になんてされないって思ってた。」
「そうね…高校生なんて…今まで考えた事もなかった。
でも今はそんなのどうでもいいかも」
そう笑うと、飛鳥君も笑う。
…何て幸せな事なんだろう。