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遅すぎた恋
第4章 思えば思うほど…
私は首を左右に振った。
その行動に飛鳥君は戸惑い、
「何で!?」と声を荒げた。
恋愛慣れしている彼は時に…私の前では余裕がなくなる。
それはきっと…今までの恋愛が
彼にとっては思われている恋愛だったから。
そう、自惚れていたい。
…私が飛鳥君にとって初恋なのだと。
「飛鳥君、私ね…彼氏なんていないの。
嘘ついてた。ごめんね。」
その言葉に、飛鳥君は大きく溜息をついた。
「…嘘でしょ…何で嘘ついてたの?」
「怖かったのよ。あなたを好きになるのが。」
「…なら、俺と付き合ってくれる?」
コクッと頷いた私に飛鳥君は
抱きつきキツく抱きしめた。
「ちょっと…飛鳥君…苦しいっ…」
「桜さんっ!めちゃくちゃ好きだよ。」
そっと体が離されると…
ゆっくりと彼の顔が近づいて来る。
「待ってっ…!ダメっ!」
グイッと顎を押し返すと、
不服そうに飛鳥君は顔を歪ませる。
「何で…!」
「…さっきしたでしょ。約束破って!
だから今日はしないの。」
そう笑うと、渋々とチェっ…っと
つまらなさそうにしていたが、観念して
私から距離をとった。
こうして…私たちは
恋人へと変わった。