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遅すぎた恋
第4章 思えば思うほど…
『明日、学校終わったら迎え行く』
そう言われて、飛鳥君と別れた。
家の中へ入れば、直ぐに飛鳥君からの
メッセージが入っていた。
『また明日。おやすみ』
短文だけれど、飛鳥君がしっかりと
私が家の中へ入った事を確認した証。
…そして…次の日。
「ごめん、先に上がるね!」
定時5時ジャスト。
鞄を掴み、悠人に挨拶すると
オフィスを駆け抜ける。
「なんだ…あいつ。」
「先輩、彼氏が出来たんですって。
下に待ってるみたいで、急いでました。」
ニコニコ笑う奈々ちゃんに睨みをきかせ
悠人も、早々とオフィスを出て行った。
…歳下らしいですよ。
そう、奈々ちゃんが最後に付け加えた。
「別れてから…次見つけんのはぇーって…」
頭をクシャとかくと、
エレベーターに乗り込む。
一階に着くと、少し先に浮かれたあの女がいた。
「あれ…飛鳥君…。」
入り口を出て辺りを見回すけど…
高校生らしき人は一人もいない。
真正面に一人…
6月初めに関わらず
パーカーのフードを被った怪しい人が手を振っていた。
…まさか。
私は恐る恐るその人に近づく。