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遅すぎた恋
第4章 思えば思うほど…
私が近づくと、フードをとった。
…やっぱり、飛鳥君だった。
「桜さん、お疲れ。
ごめんね、バレると嫌だからフード被ってた。」
「ううん。…お迎えありがとう。」
「行こっか」
そう言って、私に手を伸ばし
その手をゆっくりと掴むと彼は笑う。
フードをもうかぶることはなかった。
その姿を悠人に見られてたとは…思わなかった。
「…あいつ。ガキ捕まえたのか?」
「桜さん、マック行って良い?」
「ん?良いよ?お腹すいた?」
「アップルパイ食べよ」
有名なあのファストフードなんて
何年ぶりだろう。
やはり…店内は学生で溢れかえっている。
このパターンは…きっと
あの時のパンケーキ屋と同じだ。
二人で座るとテーブルに座ると、隣に座った
女子高生らしき子がこちらをチラチラと見ている。
…これは気付いている…
すると…
「おう!飛鳥!」
後ろから声をかけたのは、飛鳥君と同じ制服を着た
少し明るい髪の男の子と坊主頭の爽やかな男の子。
「あっ。よう!純〜。小西〜。」
その二人が私を見て会釈をする。
そして、きっと誰もが思っていたことを
飛鳥君に伝えてしまった。