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先生、早く縛って
第21章 鬼畜王子
「あぁ……いいよ。ちょうど食い終わったし……何?」
「あの……ここでは……その……」
女の子がモジモジする。
……見慣れた光景だ。
「ああ、わかった。ちょっと待って……」
そう言って空になった弁当箱を片付け始める俺の耳元で石塚が囁く。
「また告白かよ! もしかしてこの子ともやるのか?」
興奮した様子の石塚の言葉に、呼び出しに来た彼女の顔を改めてみると……なかなかかわいらしい女の子だった。
が……今日も断ることになるだろう。
……誰とでもってわけじゃない。
そう、昨日だって誰でも良かった訳じゃないんだ。
確かに惹かれはしたはずなんだ。
彼女はどれくらい傷付いたのだろうか……俺にはよくわからない。
他人の痛みなんてわかる筈はない。
その考えに変わりはないが……でも、そのことが今はなぜか気にかかる。