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先生、早く縛って
第21章 鬼畜王子
それに今までは、何度告白されても心に全く響くことが無かった。だから誰とも付き合ったことも無ければ深い関係になったこともない。
そう、昨日は何かのきっかけになったかもしれなかったんだ。
最後に彼女に言われた言葉。
……おれはおかしいのだろうか?
その気になれば、いつだって恋愛くらい人並みにできるものだと思っていた。
しかし、現実はそう甘くないらしい……
勉強にしろスポーツにしろ、方法がある。
俺は指先が器用でなんでも上手くできるとよく言われるが、それは方法を知っているからだ。やり方を知り、その通りに指を動かす、それだけのこと……
でも、〝愛の方法〟だけはよくわからない……
愛や恋なんて、俺にはやっぱり向いていないのかもしれない……
石塚の質問には答えず、考えを巡らせながら中庭を出る俺の背中に、悔しそうな石塚の言葉が投げかけられた。