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第24章 愛の才能

今思えば、他にも気になることはあった。

あのＳＭホテルで、蓉子は鞭の場所を部屋に入るなり見ていたのだろうか。
いや、そもそも蓉子は誰かに調教を受けたことがあるのだろうか。
そして今のような嗜好を身に着けたのだろうか。

肉体の改造のようなことまで、一人で考え付くものなのだろうか……

過去は過去だ……
そう思いつつも俺は葛藤していた。

愛を見つけたつもりでいた。

しかし、それだけでは足りないと……そんな現実を突きつけられた気分だ。

俺に足りないもの……それは何だろう。
包容力？ それとも……

そもそも愛とは……ＳＭとは、何なんだろう？