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先生、早く縛って
第25章 変態王子?!
ギョッとしたような顔で香里を見た係員が、ずっと目で追いかけてくる。
残念なことに並んでいる乗客はいなかった。
「ギャラリーが少なくて残念だったな?」
そう言って香里を見ると、目には涙が浮かんでいるが……いつもの流れで、この後は飯を食ってホテルへ行くことになる。
そこで香里は今の出来事を思い出して激しく乱れるのだろう。
しかし香里の上気した顔を見ても、前ほど響かなくなっている自分に俺は気付いていた。
プレイの最中は興奮する。だからこそこういうことを続けている。
しかし……何かが決定的に違うという気がしてならない。
こんな生活の中には、ダンテス卿とヴィオラのような唯一無二の関係は絶対に生まれないはずだ。
一度読んだきりの〝愛奴隷〟は俺の中で特別な存在としてますます大きくなり、そこに描かれた関係に対する憧れのような気持は強くなる一方だった。