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先生、早く縛って
第26章 幼馴染
「パパ、酷いんだよ……凛は何も考えないで、パパの決めた短大にいきなさいって……凛の夢なんて誰も訊いてくれないの」
そう言って告げた校名は、花嫁修業ぐらいしかすることがないような地元の有名なお嬢様学校だった。
夢か……
実は俺も進路について今まさに悩んでいるところだった。
そして俺の父親も、俺の夢についてなんて全く聞こうとはしてくれなかった……
俺は凛と自分のことを重ね合わせていた。
「凛の夢って何なんだ?」
下を向く凛の顔を覗き込んだ石塚がそう尋ねると、凛は二人の顔を順番に見て嬉しそうににっこりと笑った。
「夢はね、自立すること。テレビにも出てみたいし、映画とかの仕事も憧れるし、フランスとかにも住んでみたいけど……具体的にはまだ決まってないの。でも、パパが決めた学校にパパが決めた家庭教師に教えてもらって行くんじゃなくて、自分の力でちゃんと大学に行って……堂々と自分の道を選ばせてもらえる土台を築きたいの」