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先生、早く縛って
第28章 夢の途中
大袈裟じゃなく、俺は目の前が真っ暗になるような感覚に襲われていた。
凛が、死ぬ……?
あの若く、夢と希望に溢れた……凛が?
さっきまで石塚を気遣っていたはずの俺が、気付いたら……ガクリと歩道に膝をついていた。
「凛が一海には言わないでくれって言ったんだ。だから今まで隠してきたけど……もう、時間が無いから……だから……」
石塚が声を詰まらせる。
そこで俺は重大なことに気が付いた。
凛が俺に言わないでくれ、と……
当たり前だろう。凛は俺を憎んでいるに違いない。
俺は……俺は会いに行く訳にはいかない……
「駄目だよ、石塚……俺は凛に会えない。会えない理由があるんだ……」
俺は別れの顛末を石塚に初めて話していた。