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先生、早く縛って
第28章 夢の途中
「ねぇ、カズくん……ちゃんと好きな人……出来た?」
「俺には凛だけだよ……」
細い、細い……凛の手。
強く握ったら壊してしまいそうだ……
「そんなの、ダメ……」
かすかな、囁くような凛の声。
「彼女つくって……お祭り……あの花火……」
凛の瞳は半ば焦点を失っている……
あぁ、凛……凛!
「だから、俺はもう……」
「彼女……作らなかったら……許さない……から……カズくん、幸せに……」
何も言えなくて、ただぶんぶんと首を振り、俺は頷いた。
頬を涙が伝うのを感じる。
「カズくんが……好きな人と見る……花火……その向こう側にきっと……凛はいるから……見せてね……二人のこと」