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先生、早く縛って
第30章 カラダが憶えてる
先生のことも、もう関係ない……
そう言おうと思うけど、口がパクパクというだけでどうしても声が出てこない……
代わりに私から零れ出てきたのは、たくさんの涙だった。
ボロボロと溢れ出す涙が止められない……
「ゆ、結衣……」
さっきまでの強い口調が嘘みたいに、おろおろする神谷くん。
本当に優しい人なんだろうな……そう思うと、神谷くんにも申し訳なくてまた涙が出てしまう。
「ごめん、もう訊かないよ。待ってるから……待ってるから……」
と神谷くんは私を強く抱きしめる。
その時……神谷くんの男の子っぽい匂いが私を包むのを感じた。
ヤダ、なんか……こんな場所でこんなに強く……
ちょっと焦って身体を動かそうとする私を、神谷くんはさらに強く包み込み……そして私の首筋に顔を埋めた。