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先生、早く縛って
第31章 「愛奴隷」
凛を失った後の俺は何をするにも無気力だった。
その中でただひとつ、仕事だけは変わらずこなしていた。きっとそれはこの教職という仕事だけが俺が自分で選び、掴み取った唯一のものであり……何よりも、凛がそのきっかけをくれたものだったからだろう。
〝愛〟のことなど忘れ、仕事に没頭する日々。
けれど、女生徒たちは簡単に〝愛〟を口にし俺を欲しがった。
教師である俺に男の部分を求めて……一体どうしろと言うんだろう。俺はずっとそう思ってきた。
二人の間にあるハードルをいくつも越えて……結衣が俺に〝本気を見せてくれた〟あの日までは……
「本気を見せろ」
他の生徒に投げかけるのと同じ台詞を結衣にも告げたあの日。
俺の半ば投げやりな、そんな訳のわからない不埒な言葉に対し……自分のできる全てを使って応えようとしたのは後にも先にも結衣だけだった。