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先生、早く縛って
第34章 それはただの傷痕
この気持ちはもう隠しようがない。
「結衣と俺は……交際しているんだ……」
はっきりそう告げると、神谷は驚愕の表情を浮かべた。
〝交際している〟この言い方は少し卑怯だったが……俺の気持ちは付き合っていたころと何ら変わりはない。
神谷には当然言いたいことがたくさんありそうだったが、キッチンの方に行ってくれた。あとで説明をしないといけないだろう。
でも今は、結衣のことだ。
俺の寝間着とお湯に浸したタオルを用意すると、結衣のコートを脱がす。ずらされた衣服に破れた下着……それらを取り除き身体を拭いてやるとまるで何事も無かったように美しい、以前見ていたままの結衣の姿だった。
でも、その心は見えない傷で血だらけになっていることだろう。俺が全部癒してやる……その傷跡が癒えるまで。