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先生、早く縛って
第35章 大人の階段
「何とでも言いなさいよ……それとも私のこと笑いに来たの?」
違う……そんなんじゃない!
私はずっと言いたかったことを頑張って言葉にした。
「あの時……私がもっとちゃんと説明できていたら……ちゃんと誤解が解けていればあんなことにならなかったのに……本当にごめんね」
私の言葉にも、沙也加ちゃんは無表情だった。
長い長い沈黙……そして。
「馬鹿……じゃないの……」
え……?
沙也加ちゃんの目から涙がボロボロとこぼれ出た。
「そんなこと言われたら……私がまるで馬鹿みたいじゃないのっ……!」
身体の底から絞り出すような叫び声。私は返す言葉を失っていた……
また長い沈黙が訪れた。
なんて言ったらいいんだろう……
どんな言葉も安っぽくなってしまう気がして、私は何も言えなかった。