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先生、早く縛って
第37章 重なる想い

空港に着き、到着ロビーに向う。
海外ではよくあることだが、乗り換えがスムーズにいかず思ったより時間が掛かってしまった。日本からの便は少し前に着いているようだ。
日本人が続々とゲートから出て来ているが、結衣の姿は無い。
どこへ行ったんだ、結衣……
俺は必死で走った。こんなことは、結衣を抱きかかえて走ったあの夜以来だ……
すると壁際の物陰で……スーツケースの影にうずくまっている少女を見つけた。不自然に、まるで怖いものから隠れるようにしている……結衣だ。
「結衣っ……!」
「……先生ぇっっ!」
よほど心細かったのか……立ち上がった結衣の顔はぐしゃぐしゃに歪み、その目からは涙がポロポロと溢れ出した。

