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先生、早く縛って
第37章 重なる想い

「来て……来てくれないのかと……思っ……」
駆け寄ってその身体を強く抱きしめる。
あぁ、結衣……結衣……
久しぶりの結衣の匂いを、俺は胸いっぱいに吸い込んだ。
……が、言わなければいけないことがある。
俺は結衣の身体を離した。
「どこに住んでいるのか確認もせずに……俺が迎えに来られなかったら危ないじゃないか!」
「え……?」
結衣の瞳がゆらゆらと揺れる。
一番悪いのは石塚だから可哀想だが……言うべきことは言っておかなければならない。
「俺はリヨンという場所に住んでいるんだ。ギリギリ間に合ったんだ」
「だって……フランスって言えばふつうパリかと思って……」
……誰かと同じ台詞だ。

