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先生、早く縛って
第37章 重なる想い
リヨン・パールデュー駅に到着して結衣を起こしてやると、電車の中で眠ってしまったことにとてもショックを受けているようだった。
「せっかく久しぶりに会えたのに……」
と、またしょんぼりしている。
駅の構内は近代的で、日本のそれと大きな違いはないが……それでも、行き交う旅行者たちやすぐ隣にある大きなショッピングセンターの看板に刺激されて、結衣は好奇心いっぱいの目できょろきょろと辺りを見回していた。
時間があれば観光でもさせてやりたいが……疲れているだろうし、ここからまたさらにバスに乗り換えなくてはいけない。
俺は結衣の一週間の滞在期間中にまたリヨン市街に連れて来てやることを約束して先を急いだ。
「あ、これ知ってる……星の王子さまだ」
その時、観光案内所に貼られたポスターを見て結衣が足を止めた。