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先生、早く縛って
第37章 重なる想い
ん……?
そう言いながら結衣がショルダーバッグから取り出したのは、紛れもない……高校時代、あの図書館で手にした深緑色の表紙の本だった。
「これは……俺は夢でも見ているのか……?」
そう呟くと、結衣は嬉しそうな顔をして俺に向って本を差し出してくる。
けれど手を伸ばしたものの……俺はなかなかその本に触れることができなかった。
あの〝愛奴隷〟が……?
そしてどうして結衣が……?
躊躇う俺の手のひらに結衣はポンっと本を乗せる。
重い……本物だ……
「これ……どうしたんだ……?」
驚きのため声がかすれてしまう。
「えぇっと……SM雑誌の編集長にもらったんです」
「結衣が、編集長に?! どうやって……」
さっぱり訳が分からない。
「えっと……お手紙書いて?」