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先生、早く縛って
第38章 先生、早く縛って

小さな方の建物からは何の音もしてこない。先生は古めかしい大きな鉄製の鍵でその木の扉を開けた。

「こっちも昔はアトリエだったらしいんだが、アパルトマンに改装されているんだ。今は俺しか住んでいないけどね」

中に入ると、玄関のすぐそばに二階へ上がる階段と、その先に短い廊下があり水色のドアが左右に2つ並んでいる。壁は一面真っ白で、外から見たような古めかしさは感じなかった。

先生はスーツケースをよいしょと持ち上げて階段を上がって行く。
そして2階にも2つ並んだドアの右側の方を先生は開けた。一人で住んでるからなのか、ここには鍵は掛けていないみたいだ。

先生はドアを押さえて、どうぞ? と言うように手を動かして私を招き入れる。

この時になって、私は急にドキドキしてきた……先生と二人きりなんだ。

ここで、この部屋で一週間……ついついエッチな妄想をしそうになったけど、先生はこのアパルトマンの持ち主でもある、アトリエの老夫婦の話をしている。今夜、私も一緒に夕食に招かれているらしい。

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