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秘蜜に濡れて
第12章 曖昧な予感
もう一度ベッドに倒れこむ。

この電話が撥春だったのならどんなに良かったか。

あと…3日。

火曜日は定時でここに帰ろう。

朝まででも、少しでも一緒にいる時間が欲しい。

「撥春さん…」

あいりは呟くと、そっと手をスカートの裾へと伸ばし、中へと潜り込ませた。

秘部に辿り着いた指先でそっと触れてみる。

黒のストッキング越しに上下させてみる。

目を閉じればそこには撥春がいた。

撥春の指を想像して、撥春の声を思い出して…ゆっくり擦り上げる。

花芽を指先で円を描く様に撫で上げる。

''あいり…濡れてる…?''

「っん…はぁ…撥、春さ…んん…」

閉じ合わせた太腿の間に差し込んだ手は撥春がしてくれているように動く。

中指で花唇を撫で上げては、吐息が洩れる。

「…ぁ…ぁあ…んんっ…ふ…ぁ…」

湿り気を帯び始めたのがショーツとストッキングを通しても判る。

「…っふ…撥…春さ…」

優しく見つめる瞳も甘く甚振る指先も、今は、ない。

「…ぅ…ん…っは…ぁうっ…」

自分で慰めても燻るばかりの悦楽の炎に、あいりはもどかしく膝を擦り合わせるしか出来ない。


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