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秘蜜に濡れて
第13章 刹那の代償
見開いた瞳と、固まった体と。

撥春はベッドに膝から乗り込んでいく。

「誰を想って一人でシてたの?」

意地悪く尋ねるとあいりは後退った。

「…ぃ、つ…?」

「電話の相手は誰?」

あいりの質問は掻き消されてしまう。

そして、雪夜との電話を知っているということは…。

あいりは今すぐ消えてしまいたい思いでいっぱいになり、目を瞑った。

「白のブラウスにタイトスカートにストッキングが黒って…唆る」

じりじりと追い詰められ、ヘッドボードに背中が当たると、撥春が脚を撫で上げた。

「…ん…」

「スベスベだね、で、電話の相手は?」

「く、ろ澤さ…ん…」

「こんな夜に?俺の事言ってないの?」

スカートと裾ギリギリまでで手を往復させる。

ふるふると首を振る。

「じゃあ俺から言おうか?俺の女に手を出すなって」

ぎゅっと胸を掴む言葉にやっと視線が交わった。

腕を引いて、口付けると想像だった撥春が生身に代わった。

「あ、したも…ライブじゃ…?」

「そう、明日9時半の飛行機で戻らなきゃいけないんだよ?居てくれたら嬉しいと思って帰ってきただけなのに、こんな姿見せられたら…煽られてるんだよね?」

「違っ…」

「違う?じゃあ確かめていい?」

スカートの裾からゆっくりとそこへ手を進めた。
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