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秘蜜に濡れて
第18章 deep inside
「フロント二人は今日は帰れ、竜はちょっと頭冷やせ、撥春は…ちゃんと向き合うんだな」

正宗によってその場が解散させられた。

強制的にタクシーに乗せられる二人をメンバーは不安そうに見送る。

「俺、着いてくわ」

竜のタクシーには浩一郎が乗り込んだ。

撥春は乗り込もうとした怜二を断って一人タクシーに乗り込んだ。

向かう場所はただ一つ。

自動扉を潜ってエレベーターホールへ向かうと、手前で警備員が道を阻んだ。

「申し訳ございません、この先はアポイントのあるお客様に限りますので、受付にて入館証をお受け取りください」

「客じゃない、用があるんだ」

「そう申されましても、これより先はお通し出来かねます故」

警備員は一歩も引かず、撥春は受付に向かった。

「いらっしゃいま、せ…えっ?嘘!」

「営業の相馬 あいりさんをお願いします」

「営業の相馬ですね、少々お待ちください」

戸惑いながらも内戦をかける受付嬢の視線は撥春に釘付けだった。

「あの、相馬は只今席を外しているそうなので、如何なさいますか?」

「入館証を」

記帳すると受付嬢の手元にあった入館証を取り上げ、エレベーターホールへ向かった。


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