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秘蜜に濡れて
第3章 愛しいくちづけ
キスする度に想いが深まり、深まるほど欲しくなる。

唇を離すとそのままあいりの首筋を舐りあげた。

身体の芯まで痺れるような甘さにいつから好きになったのだろうと考えを巡らせた。

「余計なことを考える余裕があるんだな」

見透かされて、また嵐の様なくちづけに呑み込まれてゆく。

「…んん……はぁ…」

「あいり、好きだよ」

耳たぶを食んだ後にその心臓に直接響く声で愛を囁かれると、一番奥深いところがずくんと痺れた。

「わ…たしも…す…」

告白の返事はやっぱり甘いくちづけに掻き消されてしまった。

撥春の手がブラウスのボタンにかかる。

3つ目を外したところで手が止まった。

鎖骨が露わになって、ブラが見えるか見えないかのギリギリの辺りに撥春は唇を寄せた。

「…っん…!」

チリッと痛みが走って、撥春が見上げていた。

離れた其処にはぽつりと紅い華。

「これが消える前には…会いたい」

コツンと額を合わせて、撥春の無邪気な笑顔につられるように、あいりも微笑んだ。

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