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秘蜜に濡れて
第6章 絡まる糸
会社の通りから二つ先の筋を入った所で停車する。
「ありがとうございました、行ってきます」
「いってらっしゃい」
ドアを開けて、不意にあいりが振り返る。
「…は、つはるさんも、お仕事頑張って下さいね」
赤らめた頬でその台詞を口にしたあいり。
行かせたくない…!
引き止めそうになる手を握りしめなんとか制止して、手を振った。
歩き出したあいりを見送ってハンドルを切る。
ぐるりと一周した信号待ちは丁度あいりの会社の前だった。
人波にあいりの姿を探し見つける。
が、その肩に手を掛ける男の姿も同時に見てしまう。
真横を歩き、髪に触れるその男の表情はただの同僚のものではなかった。
''もう一人の営業についてる''
いつだったかの圭吾の言葉を思い出していた。
「ありがとうございました、行ってきます」
「いってらっしゃい」
ドアを開けて、不意にあいりが振り返る。
「…は、つはるさんも、お仕事頑張って下さいね」
赤らめた頬でその台詞を口にしたあいり。
行かせたくない…!
引き止めそうになる手を握りしめなんとか制止して、手を振った。
歩き出したあいりを見送ってハンドルを切る。
ぐるりと一周した信号待ちは丁度あいりの会社の前だった。
人波にあいりの姿を探し見つける。
が、その肩に手を掛ける男の姿も同時に見てしまう。
真横を歩き、髪に触れるその男の表情はただの同僚のものではなかった。
''もう一人の営業についてる''
いつだったかの圭吾の言葉を思い出していた。