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カノジョ
第7章 こんなカノジョ《再々》
 
 漸く家が見えてきたと思った時だった。

 選りに選って、家の前の道路が工事中。

 こっちへの迂回路を示す看板。

 家は直ぐそこなのに、迂回路を通れば確実に五分近くのロス。

 何処まで真希を甚振【イタブ】るつもりなんだ神様。

 道一杯に広がる工事現場は、どう見ても通り抜ける事はムリだった。

「すみませんねぇ」

 ペコペコ頭を下げる警備員さんを睨んでも仕方ないけど睨んだ。

 影人には睨んでも怖くも何ともないと言われる睨み。

「明日には終わりますからー」

 へらへらと笑みを浮かべながら謝る警備員さんにも、やはり凄みは利いてなかった。

 交渉して時間を掛けるのも勿体ない。

 もう、ヤツは直ぐそこでスタンバっている。

 いつでも、発射オーケーの状態。

「あ、あと……少し………」

 脂汗もカラダ中の汗もハンパない。

 もう、ヤっちゃえば?なんて悪魔の囁きにも負けない。

 あと少しの辛抱だった。
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