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カノジョ
第2章 あんなカノジョ
軽く肩を跳ねらせ、思わず口調を間違えそうになる杏子。
涼しげな姿にも拘わらず、汗が浮かんでくる程の感情の昂ぶり。
マイクロミニの裾から覗く太腿が、意図せずに擦れ合う。
サイドテールの長い黒髪の隙間から横目で男を見れば、一層下卑た笑みを見せていた。
…やっぱり…今夜も……アタシ………
男の笑みが鼓動を早めさせる。
伸ばしたカラダを戻す事さえ忘れる程に、男の表情から目が離せずに居た。
「お、おい…三回目だってよ」
「今夜はあのオヤジかよぉ」
男の言葉を耳にした傍らの男たちの声にドキンッと強い鼓動。
それと同時に湧き上がる、カラダの奥からの衝動。
「従業員なら、分かってるだろ?」
男の言葉に視線を盤面へと向けた杏子。
その瞳は潤みを見せていた。
「あ…あぁ……」
勝手に腰が揺れだす事に気付かずに、杏子は熱い吐息混じりに言葉を吐き出す。
依然として、カラダは男の前でパチンコ台に伸ばした儘。
尻を突き出している様にも見える体勢で、杏子はゆっくりとパチンコ台のガラス扉を閉めた。