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カノジョ
第2章 あんなカノジョ
「いやぁ、いつも見てたからねぇ。何時俺の番かと……」
…いつも…アタシ…の……
…あんなトコも…こんな事…も……
男の視線を感じながら、背を向けて立ち上がる杏子。
全身を舐め回す様な視線を浴びながら、今までの出来事を脳裏に過ぎらせる。
思い出せば思い出す程に、カラダに熱さを覚えていく。
「いやぁ…アレを見せられてる立場としては…ねぇ」
身動き出来ずに居る杏子に浴びせられる男の言葉。
その一つ一つが、杏子の興奮を昂ぶらせていった。
「お、おい…此処だよな?」
「あぁ…間違いないって」
ビクンッと小麦色の細い肩が跳ね上がる。
僅かなやり取りの間にも、杏子と男の周りに集まり出す男性客。
…あぁ……今夜も…こんなに人が……
集まり始めた雰囲気と盤面に映り込む人集りの景色に、うっすらと瞳を明けた杏子は無意識に尻をくねらせる。
「そんな恰好してるビッチの姉ちゃんも期待してたんだろ?」
「あ、アタシっ……アタシは……ビッチなんかじゃ……」
人集りに気を取られていた杏子に投げられた言葉。
慌てて反論しても、カラダは嘘を吐けなかった。
「そんなデカパイ見せ付けて……プリプリ尻振ってるのに……
嘘はいけないよ、姉ちゃん」
「あ…あぁ……アタシ…は………」
手を出す事も無く、言葉で嬲り続ける男。
その言葉と、これから起こりうる出来事を想像してか、杏子が吐き出す声は熱さを帯びていった。