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カノジョ
第2章 あんなカノジョ
 
 この店の裏ルール。

 店側に不手際が生じれば、対応した店員に責任が無くとも、要望に応じた対応をするというもの。


…他に女の娘…居るのに……
…最近…アタシばっかのような……


 高レートで賭博を繰り返す客に対して、僅かでも気を良くして貰おうとした店のサービスがいつの間にかルールとなって確立していた。

 そんな事など露も知らない杏子は、最初は抵抗したものの、やはりストレスの重責から逃れる為に受け入れていったのだった。

 そして、心の片隅ではそれを待ち望んでいる傾向もあった。

「良い具合にギャラリーも……」

 男の声に、盤面に映り込んだ人集りに目を奪われる。

「う……そ………」

 思わず声が洩れ出す。


…こんなに…沢山……
…いつも以上に………


 老若男女を問わず、まるでフロアに居た全員が集まっているかの様な人集りが男の背後に出来ていた。

「ククッ……みんな、姉ちゃんの事が視たいらしいぞ?」

「そ、そんな訳っ……」

 内股が勝手に擦れ合う。

「おおっ!?」

 タイトなマイクロミニに包まれて、クッキリと形を浮かび上がらせていた尻がクネクネと揺れて湧き上がる歓声。


…いつも以上に……声が……


 ドキドキと鼓動を早めると同時に、キュンとカラダの奥を反応させる杏子だった。


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