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カノジョ
第3章 そんなカノジョ
 
 立ち尽くす男の前で微笑む女性。

 その容姿に、男は視線を動かせずに居た。

「ホントはぁ、駅まで迎えに行くつもりだったんだけどぉ……」

 眉尻を下げて、申し訳なさそうに話す女性だったが、その言葉は男の耳に届いていなかった。


…この女【ヒト】…恭子姉だよなぁ……
ノンビリした口調に…左の目元にあるホクロ…
…それに…何より……


「………だからぁ。って、聞いてるぅ?」

 男の視線は、野菜を山盛りにしたザルを抱えた恭子の胸元から動かずにいた。

 程良い肉付きの太腿を露わにしたショートパンツ姿に目を奪われながらも、やはり男の目は、小玉スイカ以上に撓わに実った胸に釘付けだった。

 細い肩や鎖骨を露わにする白いタンクトップ。

 野菜の山の向こうに、柔らかそうな胸肉が寄せられて深い谷間を作っていた。


…昔からデカいとは思ってたけど…
…数年経たないうちに…こんなにデカく育つなんて…

「…こらぁっ、話聞いてぇっ」

 女らしさを存分にアピールする恭子の肢体に思いを巡らせていた男の脚に軽い衝撃が走る。

「あ、あぁ…ゴメン」

「もぉ、ケイくんは昔からぼぉっとするよねぇ」

 幼馴染みの発育が良すぎる体をマジマジと見ていたとは言えない。

 バツが悪そうに口を開いたが、恭子は気を悪くした素振りも見せずに微笑むのだった。
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