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カノジョ
第1章 こんなカノジョ
 
「…で、いきなり呼んで何処へ行けと…?」

「う、五月蝿いなぁ………」

 男の戸惑う声に真希はバツが悪そうに顔を背け、端正な顔立ちにプクゥッと頬を膨らませる。

「…相変わらずすげぇ恰好してっけどさぁ」

 顔を背けた儘の小柄な真希の体を、男の舐めるような視線が絡み付く。

「こっ…これは……ちょっと急いでたから………」

 嫌悪感を覚えるよりも先に、羞恥に頬を染める真希。

 それでも、男の視線を遮る事もせず、薄いキャミソールとマイクロミニと言われる短いスカートに包まれた体を隠そうともしなかった。

「急いでなくても、いつもと変わらないじゃん」

「む、むぅ………」

 普段から男の欲情を煽るような、肉感的な体の肌を露わにする服装をしている真希。

 ククッと笑みを溢す男の言葉が的を得ているだけに、真希は唇を尖らせるだけだった。

「そ、それよりぃ………」

「で、どうすんの?」

 立場が悪くなった真希が話題を変えようと口を開けば、男は分かっていたかのように口を挟んだ。

 前方に視線を向けた儘、右手はハンドルを握り、車を柔らかな陽射しが照り付ける通りを走らせる。

「あ、あの…ね………」

 流れていく景色を視界に入れながら、真希は言葉を詰まらせた。


…まさか…えっちな小説に息詰まったから…
…そのネタ作りに…呼んだなんて………
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