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カノジョ
第1章 こんなカノジョ
車を降りた二人が立つのは、小高い丘の上にある小さな広場。
木々の濃い緑に囲われ、柔らかい陽射しが差し込む閑静な場所。
駐車場は広々としていながらも、この広場の存在は知る人ぞ知る場所だった。
「だ、だから、ホテル代は真希が………」
「ほら、ヤりたいんだろ?」
「んうっ!?」
依然として困惑する真希を抱き寄せ、無理矢理に唇を重ねる影人。
真希の言葉を遮り、桜色の唇を影人の舌が抉じ開ける。
「んぅっ…んんぅっ………」
真希は鼻で呼吸を繰り返し、細い両腕で影人の胸板を押し退けようとする。
しかし、口腔で絡み合う舌の感触と、ペチャペチャと唾液が混ざり合う淫靡な水音に力が籠もらない。
そればかりか、真希が濃厚なキスだけで肉欲のスイッチが入る事を知っている影人だけに、舌を貪る事を止めない。
柔らかい舌の感触が真希の脳を痺れさせていく。
押し退けようと影人の胸板に当てていた真希の小さな掌は、いつしかシャツをギュッと握り締めて離そうとしない。
閑静な広場に、口元から唾液を垂らしながらキスを続ける生々しい水音が流れる。
…影人……この場所………
…絶対…知らないんだ………
濃厚なキスに依る甘美な興奮の波に抗えず、真希は舌を絡ませながら鼓動を早めていった。