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カノジョ
第1章 こんなカノジョ
 
 盗撮広場。

 真希が耳にした、この人気の無い小さな広場の俗称。

 街灯も無いこの広場は、お金の無いカップルには御用達の場所であった。

 昼は人気が無く、夜は月明かりだけを頼りに肉欲を貪り合うカップル。

 その事を知った、覗き目的の人間が集まる場所として付いた俗称。

「んふぅっ…んんぅっ………」

 ペチャペチャと舌が絡み合う刺激に、鼻息も熱くなっていく。

 しかし、真希の脳裏には、駐車場には他にも数台の車が停まっていた光景が浮かぶ。


…絶対…昼間だって…誰かが居るかも………


 周りの木々の隙間から覗かれている可能性。

「んふぅっ…ふぅっ……んうぅっ………」

 盗撮広場の俗称を知っていながらも、影人とのキスに自らも舌を絡ませていく。


…見られてるかもしれないのに………


 ドクンドクンと鼓動が一段と強まる。

 キスだけではない興奮が真希を包んでいく。

「んうっ!?」

 更には、腕を退けられ、薄いキャミソール越しに撓わな胸を鷲掴みにされれば、一瞬の快感が体を走り抜けていった。

 柳眉を寄せて、甘い刺激に脳を痺れさせた真希の鼻息は荒さを増していく。


…こんなトコで…真希………


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