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鈴(REI)~その先にあるものは~
第3章 恋の始まり~辿逢(たどりあう)~
「俺が何かもすべて教えてやろう、手とり脚取りな」
 抱きしめられたまま、その場に押し倒され、お亀は悲鳴を上げた。
「何をするの。止めて、止めてッ」
 お亀の前結びにした帯を嘉利が解いてゆく。
「いやっ、止めてよ。私、ひと思いに殺されるんじゃなかったの? どうして、こんなことになるの?」
 泣きながら抗ってみても、男の力は尋常ではない。渾身の力を出して手脚を動かしても、抵抗は難なく封じ込まれた。
 圧倒的な力の差に、お亀は怯えた。
 自分ではこの男には敵わない。
 眼に涙が滲み、身体が恐怖に震える。
 それでも、こんな男に弱いところを見せたくなくて、お亀は懸命に泣くまいと耐えた。
 が、嘉利には、お亀のそんな我慢さえ、愉しくてならないようだ。
「愛い奴だ。そのように怖がらずとも良いぞ。―そなた、男は初めてなのか」
 また同じことを訊かれ、お亀は困惑して嘉利を見つめた。
「何を言ってるのか判らないわ」
 涙ぐんだ眼で言ったお亀を覗き込んだ嘉利が、お亀を可愛くてならぬというように強く抱きしめた。
「そのような問いの意味も判らぬのか。そなたは生娘なのかと訊いておる。その、つまりだな、男に膚を許したことがあるのか、身体を重ねたことがあるのかと申しておるのだ」
「―」
 流石に、ここまで言われては問いの意味が判った。あからさまに問うことではない。
 お亀はあまりの恥ずかしさに身も世もない心地で、頬が赤らんだ。耳まで紅くなり、どうしたら良いのか判らない。
「あい判った。何も応えずとも良い。その初な反応だけで、もう十分だ。これは良い、良拾い物をした」
 何故か歓んでいる男を、お亀は薄気味悪く思いながら見上げていた。
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