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鈴(REI)~その先にあるものは~
第4章 露草~呼応~
 乳房を口で愛撫され、下からは烈しく突き上げられ、お亀はたまらず声を上げた。
 それが快感なのか、それとも苦痛なのかは自分自身にさえ判らない不思議な感覚であった。
 自分は明らかにおかしい。嘉利と夜を過ごす度に、自分が自分ではなくなっているような気がして、お亀は無性に怖くてならなかった。
 このままでは、自分はいつか本当に娼婦のような、膚を売る遊び女のような淫らな女になってしまうのではないか。そう考えると、怖ろしさに気が狂いそうになる。
 嘉利の愛撫は巧みであった。女の身体を知り尽くした男にかかれば、全く男を知らぬお亀の身体などひとたまりもなかった。
 また、嘉利自身、これまで生娘しか相手にしてこなかったため、お亀を女として成熟させることに新たな悦楽を見い出したらしい。
 要するに、初な生娘を自分好みの女に作り上げてゆくことが珍しいのだろう。
 その意味で、嘉利はお亀の身体に溺れ切っているともいえた。
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