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鈴(REI)~その先にあるものは~
第4章 露草~呼応~
 ところが、お亀の場合は例外だった。嘉利はお亀を寝所に召したその夜から正式な側室として扱い、独立した部屋を奥向きに与えた。まさに前代未聞の破格の待遇である。
―まだ御子もお生み奉ってはおられぬのに。
 と、奥向きの女たちの嫉妬は烈しかった。
 当然ながら、お亀を見つめる回りの眼はけして好意的とは言い難い。
 そして、当然というか、こんな悪意に満ちた取り沙汰がされた。
―殿は、あのような小娘のどこが良いのでございましょう。
―顔も不細工だし、気も利かない、ただの田舎娘ではございませぬか。このお城の奥向きにも若くて眉目良き女子はおるというに、何ゆえ、あのようなぱっとせぬ娘にお手が付いたのか判りませぬ。
―まあ、殿があの田舎娘に手をお付けになられたのは、かえって物珍しいからでございますよ。それ、ご馳走ばかり食しておると、たまにあっさりとした田舎料理が食べてみたいと思うようになると俗に世間でも申すではございませぬか。つまり、ほんの気紛れというものにございましょう。
―とは申せ、どのような美女であろうと長続きのしなかった殿が、あの田舎娘はまるで眩しいほどのご寵愛ではございませぬか。不器量な田舎娘にはございますが、身体だけは立派で豊かなようでございますゆえ、こうも夜のお召しが続けば、その中、すぐに懐妊するのでは?
―そこでございますよ。この際、眉目形よりも殿があれほどまでにご執心さなっておられるのは、あの娘の身体の方にございましょう。男など何も知らぬといった初な田舎娘に見えましたが、存外、男を知り尽くしたあばずれであったのやもしれませぬ。男を惑わす手管にも長けておるのでしょう。
―それでは、虫も殺さぬような、大人しげなふりをしているだけにございましょうか。
―大方、男女のことなぞ何も知らぬといったように見せかけていたのも、殿のお気を引くためであったに相違ございませぬ。
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