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鈴(REI)~その先にあるものは~
第4章 露草~呼応~
「あの折は、私も言い過ぎました。自分で申し上げておきながら、このようなことを言うのは何でございますが、私が殿のお立場であったとしても、お父君の御事をあのような場で出されたれば、怒ったと存じます。あれは、私の失言にございました」
 それは本音だ。あのときは、嘉利にむやみに人や動物を殺したりするのを止めて欲しい、〝畜生公〟などと不名誉極まりない呼び名で呼ばれるような藩主であって欲しくない、その一心で言ったことだけれど、あそこまで―少なくとも彼の父親を持ち出して比較するのは良くなかっただろうと反省はしている。
 自分より優れた人物と比べられるのは、誰しも厭なものだ。ましてや、それが自分の親である場合は。
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