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鈴(REI)~その先にあるものは~
第5章 永遠の別離~無窮~
永遠の別離
~無窮(むきゅう)~
その夜、お亀は二日ぶりに嘉利と膚を合わせた。
ひっそりと静まり返った閨の中は、深い湖の底を思わせる。その静けさの底で、衣擦れの音やあえかな吐息が妖しく官能を誘うように響いている。
嘉利の熱い唇がお亀の白い膚を這う。
唇から、うなじへと、鎖骨へとその温もりはゆっくりと定められた道すじを辿り、やがて豊かに波打つ胸乳の先端を経て、へそのくぼみ、やわらかな腹部、更に淡い茂みの奥の秘められた狭間へと到達する。
「う、ぁ、ああっ」
お亀の桜色の唇から、かすかな声が洩れた。
膝を立てて開いた両脚の間に、男の頭が埋まっていた。下腹部に埋まった男の頭が動く度、お亀の奥から腰にかけて妖しい震えがさざ波のようにひろがる。その震えは、ゆっくりと身体中に拡散し、歓喜の波を呼び起こす。
女のやわらかな腹部に頬を押し当て、嘉利がくぐもった声で呟いた。
「ここに俺の子が宿るのは、いつのことだろうな。俺は早くそなたに子を生んで欲しいのだが」
うっとりとした口調で低く囁く嘉利の表情は夢見るかのようだ。
お亀の黒い瞳が情事の熱で潤んでいる。
そんなお亀を嘉利は眩しげに見つめた。
「そなたは日毎に美しうなる。そなたのような女を得て、俺ほどの果報者はおらぬ。だから、そのような哀しそうな表情をするな。俺と一緒のときは、もう少しだけ嬉しそうに笑って見せてはくれぬか」
お亀は涙の雫を宿した瞳で微笑みを浮かべた。
「俺は幸せだ。そなたをこうして腕に抱いている瞬間が、俺にとっては至福のときに他ならぬ。しかし、何故であろうか。俺は、そなたをこうして抱いていても、膚を合わせていても、そなたがいつかふっとかき消えて、俺の傍からいなくなってしまうような気がする」
~無窮(むきゅう)~
その夜、お亀は二日ぶりに嘉利と膚を合わせた。
ひっそりと静まり返った閨の中は、深い湖の底を思わせる。その静けさの底で、衣擦れの音やあえかな吐息が妖しく官能を誘うように響いている。
嘉利の熱い唇がお亀の白い膚を這う。
唇から、うなじへと、鎖骨へとその温もりはゆっくりと定められた道すじを辿り、やがて豊かに波打つ胸乳の先端を経て、へそのくぼみ、やわらかな腹部、更に淡い茂みの奥の秘められた狭間へと到達する。
「う、ぁ、ああっ」
お亀の桜色の唇から、かすかな声が洩れた。
膝を立てて開いた両脚の間に、男の頭が埋まっていた。下腹部に埋まった男の頭が動く度、お亀の奥から腰にかけて妖しい震えがさざ波のようにひろがる。その震えは、ゆっくりと身体中に拡散し、歓喜の波を呼び起こす。
女のやわらかな腹部に頬を押し当て、嘉利がくぐもった声で呟いた。
「ここに俺の子が宿るのは、いつのことだろうな。俺は早くそなたに子を生んで欲しいのだが」
うっとりとした口調で低く囁く嘉利の表情は夢見るかのようだ。
お亀の黒い瞳が情事の熱で潤んでいる。
そんなお亀を嘉利は眩しげに見つめた。
「そなたは日毎に美しうなる。そなたのような女を得て、俺ほどの果報者はおらぬ。だから、そのような哀しそうな表情をするな。俺と一緒のときは、もう少しだけ嬉しそうに笑って見せてはくれぬか」
お亀は涙の雫を宿した瞳で微笑みを浮かべた。
「俺は幸せだ。そなたをこうして腕に抱いている瞬間が、俺にとっては至福のときに他ならぬ。しかし、何故であろうか。俺は、そなたをこうして抱いていても、膚を合わせていても、そなたがいつかふっとかき消えて、俺の傍からいなくなってしまうような気がする」