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きみに鎖を
第4章 ーーーー
♢♦︎♢♦︎
「おかえりなさいませ」
「ああ、ただいま。いつも悪いな」
出迎えてくれた執事にカバンを渡し、ユウトはふぅと息をつきながらネクタイを緩める。
たったそれだけなのに、ぶわりと溢れた色気が玄関に撒き散らされ、執事は内心苦笑いを零した。
もちろん表はにこやかに微笑み、主人を労っているが。
「今日はお早いお帰りでしたね」
「まぁな。レナはどうしている?」
「レナ様はお部屋にいらっしゃいます」
そうか、と呟き、長い足をレナのいる部屋に向ける。
扉を静かに開けると押し殺した声が聞こえ、知らずに唇が弧を描いた。