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ある日弟が
第1章 1.

中から出てきたのはクックパッドあたりでよく見かける
《炊飯器でも焼けるよ♡超お手軽☆板チョコでつくるガトーショコラ♡》
みたいなノリのガトーショコラではなく、きちんとケーキ型で焼いた、洋酒とか入ってる系の、表面に粉砂糖がふってあってなおかつちっさいイチゴとかが飾ってある感じの、それこそお菓子作りがプロ級に得意な主婦がやってるブログに掲載されてそうな、とてつもなく出来のいいガトーショコラであった。
恐ろしいことに、ケーキの下にはきちんと素敵なレースペーパーが敷いてある。
ムスメの誕生日にすら炊飯器以外のメカニックでケーキを焼いたことのない私は自分の女子力の低さを目の当たりにして軽く絶望した。
そして同時にこれほどまでに女子力の高い彼氏、いや、彼女?
・・・現時点でどっちが突っ込む方なのか確認していないのでそこらへんはまぁいいとして、とにかく、こんな立派なガトーショコラを焼けてしまうような素敵すぎる人間と結婚を考えるほど親密な関係になれた一人を軽く嫉妬した。
内心、「クソッ・・・・!一人の分際で生意気な・・・・!」と思っていたところ、追い討ちをかけるように旦那が私の耳元で小さく呟いた。
「こ、こんな几帳面なケーキ、お前に切り分けられるわけねぇ・・・・!」
ブルータスお前もか、といった心境で振り返ると、いちおう血液型だけはA型で、O型の標本になれそうなレベルで雑な私よりは几帳面かつ神経の細かい旦那が「か、かせ。俺が切る」と言って包丁を奪ってきた。
《炊飯器でも焼けるよ♡超お手軽☆板チョコでつくるガトーショコラ♡》
みたいなノリのガトーショコラではなく、きちんとケーキ型で焼いた、洋酒とか入ってる系の、表面に粉砂糖がふってあってなおかつちっさいイチゴとかが飾ってある感じの、それこそお菓子作りがプロ級に得意な主婦がやってるブログに掲載されてそうな、とてつもなく出来のいいガトーショコラであった。
恐ろしいことに、ケーキの下にはきちんと素敵なレースペーパーが敷いてある。
ムスメの誕生日にすら炊飯器以外のメカニックでケーキを焼いたことのない私は自分の女子力の低さを目の当たりにして軽く絶望した。
そして同時にこれほどまでに女子力の高い彼氏、いや、彼女?
・・・現時点でどっちが突っ込む方なのか確認していないのでそこらへんはまぁいいとして、とにかく、こんな立派なガトーショコラを焼けてしまうような素敵すぎる人間と結婚を考えるほど親密な関係になれた一人を軽く嫉妬した。
内心、「クソッ・・・・!一人の分際で生意気な・・・・!」と思っていたところ、追い討ちをかけるように旦那が私の耳元で小さく呟いた。
「こ、こんな几帳面なケーキ、お前に切り分けられるわけねぇ・・・・!」
ブルータスお前もか、といった心境で振り返ると、いちおう血液型だけはA型で、O型の標本になれそうなレベルで雑な私よりは几帳面かつ神経の細かい旦那が「か、かせ。俺が切る」と言って包丁を奪ってきた。

