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鍵の音
第1章 希望は鳴る
 ハァ、龍は真面目だね。

 兄貴は自分の肩より高い位置に存在する龍の肩を2回叩いた。
 そしてだらしなく無精髭の生えた口元を歪ませ、
 恐らくこの空間で一番マトモであろう龍を貶す。

 なぁお前さぁ、
 しばらく女、抱いてないんだろ。
 誰だっていいとかお前、そーゆーの、ねぇの?
 帰ってさびしーくオナニーするワケ?
 リエのことガキの頃から知ってるってだけで?
 ちょっとヤラれすぎてへばってるってだけで?
 真面目ぶって生きていいことあんの?
 ・・・・・・。
 な、なんもなかったろ?
 だからお前、女に相手にされねーで、
 そーんなきたねぇ仕事してんだろ。
 手も真っ黒でさ。
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