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鍵の音
第1章 希望は鳴る
 重たい前髪の隙間から切れ長の目で裸のまま床の上に転がる私を見た龍は、やはり兄貴に首を振った。

「無理っすよ。だって、コイツ・・・リエちゃんのこと、ガキの頃から知ってるし・・・それに、リエちゃん、ぐったりしてますよ」

 龍の手が紺色の作業着ズボンのポケットの中でチャリチャリ鍵を鳴らしている。
 ガキの頃から変わらない、龍のクセだ。
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