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Love adventure
第15章 夫の帰国②
「この子たちは『クレッシェンド』ていうバンドのメンバーで~
こっちの七五三みたいな方が根本三広君、そっちの不健康の見本みたいな胸板極薄ガリガリ男子が神田亮介君です。
こう見えても、うちで得に贔屓(ひいき)にしているミュージシャンなんですよ。」
浜田の雑な紹介に、ふたりは大いに不満そうに口を尖らせていた。
「ほなみさんから、貴方の事はよく聞いてますよ――とても優しい恋人だって」
「こっ……こ!?」
三広が、目を剥いて叫び亮介に口を塞がれている。
「いえ、夫です」
智也は微笑してさらりと答えた。
「おっお……お――っ?……ぐぐ」
三広は、今度は亮介に両手で口を塞がれた。
「……ああ、そうそう!恋人同士みたいに仲良しだってね!いやしかし美男美女のご夫婦ですなあ!」
浜田が、ハハハと笑い、智也もにこやかな表情になる。
「海外赴任なので、妻には寂しい思いをさせてしまっていますので心配してるんですが……ご近所に親しくさせていただいている方が居るようで、安心しました」
ほなみの心臓が嫌な音で鳴り、嫌な汗が背中を伝う。
(――西君と出会ってから数日、私が何を考え何をしていたかなど、智也は知る筈もない。わかる筈はない――)
物腰はいつも柔らかい智也だが、目だけは鋭くて、笑っている様に見えても本気で笑っているのか分からない事の方が多い。
――実は何もかも見透かされているのではないだろうか?
と、背筋が寒くなった。
こっちの七五三みたいな方が根本三広君、そっちの不健康の見本みたいな胸板極薄ガリガリ男子が神田亮介君です。
こう見えても、うちで得に贔屓(ひいき)にしているミュージシャンなんですよ。」
浜田の雑な紹介に、ふたりは大いに不満そうに口を尖らせていた。
「ほなみさんから、貴方の事はよく聞いてますよ――とても優しい恋人だって」
「こっ……こ!?」
三広が、目を剥いて叫び亮介に口を塞がれている。
「いえ、夫です」
智也は微笑してさらりと答えた。
「おっお……お――っ?……ぐぐ」
三広は、今度は亮介に両手で口を塞がれた。
「……ああ、そうそう!恋人同士みたいに仲良しだってね!いやしかし美男美女のご夫婦ですなあ!」
浜田が、ハハハと笑い、智也もにこやかな表情になる。
「海外赴任なので、妻には寂しい思いをさせてしまっていますので心配してるんですが……ご近所に親しくさせていただいている方が居るようで、安心しました」
ほなみの心臓が嫌な音で鳴り、嫌な汗が背中を伝う。
(――西君と出会ってから数日、私が何を考え何をしていたかなど、智也は知る筈もない。わかる筈はない――)
物腰はいつも柔らかい智也だが、目だけは鋭くて、笑っている様に見えても本気で笑っているのか分からない事の方が多い。
――実は何もかも見透かされているのではないだろうか?
と、背筋が寒くなった。