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Love adventure
第23章 波瀾の予感

「あ――っ!この子、西君ぽくない?」
あぐりは突然素っ頓狂な高い声を上げ、ひとつのゆるっクマ人形をほなみに見せた。
黒いスーツを着ているクマの顔には前髪が付いていた。
栗色のまっすぐな髪がサイドで分けられているが、どことなくクシャクシャしていて可愛い。
ほなみは思わず女子高生のように反応してしまった。
「か、かわい――!」
「ぽいでしょ?めちゃ可愛いじゃーん!」
ほなみが西本祐樹もどき『ゆるっクマ』を手に取りじっと見つめていると、あぐりが指で突いて来てニタニタと笑った。
「ねえ、会ったらさ、『好きよ』とか言っちゃうの?」
「――!?」
突然振られて動揺し、クマを手から離してしまうが、落下する寸前であぐりが受け止めた。
「ああ~!西君!よかった!無事ね?怪我はない?」
「な……何やってんのよ……!いい年してみっともない!」
ほなみは、あぐりからクマをひったくった。
「顔が赤いぞ」
「えっ!?」
「あんたが、そんな風にときめく姿、初めて見たけどいいわねえ~ああ、私も恋したいっ!」
「もう……あぐりったら!」
「だって、あんた今恋してるでしょうが。西君が好きだから来たんでしょ?」
「う……」
「まずは西君に、愛の力で元気になってもらってーー。で!後の事は後で考えればいいわよ」
あっけらかんと言い放つあぐりを見ていると、深刻に悩んでしまう自分が馬鹿みたいに思えてくる。
ライブの夜の出来事をあぐりに全て打ち明けたが、彼女は、ほなみを蔑んだりはせず、それ処か目を輝かせていた。
「嬉しい!これで私達、恋バナができるわねっ!あのね……実は……私、結婚する前から続いてる彼氏が居るのよ……」
という衝撃のカミングアウトまで。
どうやら相手は既婚者らしく、いわゆるW不倫だ。
ほなみは頭がクラクラした。
(だけど、私のした事も世間でいえば『不倫』。西君は知らずにした事だけど私は違う……)
あぐりは突然素っ頓狂な高い声を上げ、ひとつのゆるっクマ人形をほなみに見せた。
黒いスーツを着ているクマの顔には前髪が付いていた。
栗色のまっすぐな髪がサイドで分けられているが、どことなくクシャクシャしていて可愛い。
ほなみは思わず女子高生のように反応してしまった。
「か、かわい――!」
「ぽいでしょ?めちゃ可愛いじゃーん!」
ほなみが西本祐樹もどき『ゆるっクマ』を手に取りじっと見つめていると、あぐりが指で突いて来てニタニタと笑った。
「ねえ、会ったらさ、『好きよ』とか言っちゃうの?」
「――!?」
突然振られて動揺し、クマを手から離してしまうが、落下する寸前であぐりが受け止めた。
「ああ~!西君!よかった!無事ね?怪我はない?」
「な……何やってんのよ……!いい年してみっともない!」
ほなみは、あぐりからクマをひったくった。
「顔が赤いぞ」
「えっ!?」
「あんたが、そんな風にときめく姿、初めて見たけどいいわねえ~ああ、私も恋したいっ!」
「もう……あぐりったら!」
「だって、あんた今恋してるでしょうが。西君が好きだから来たんでしょ?」
「う……」
「まずは西君に、愛の力で元気になってもらってーー。で!後の事は後で考えればいいわよ」
あっけらかんと言い放つあぐりを見ていると、深刻に悩んでしまう自分が馬鹿みたいに思えてくる。
ライブの夜の出来事をあぐりに全て打ち明けたが、彼女は、ほなみを蔑んだりはせず、それ処か目を輝かせていた。
「嬉しい!これで私達、恋バナができるわねっ!あのね……実は……私、結婚する前から続いてる彼氏が居るのよ……」
という衝撃のカミングアウトまで。
どうやら相手は既婚者らしく、いわゆるW不倫だ。
ほなみは頭がクラクラした。
(だけど、私のした事も世間でいえば『不倫』。西君は知らずにした事だけど私は違う……)

