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Love adventure
第23章 波瀾の予感
男は、片手であぐりを抱え、もう片手でほなみの腕をつかみ、薄ら笑いさえ浮かべている。
(なんという怪力なの……)
剛力な男には決して見えないのに、男の手は振りほどく事が出来ない程にしっかりとほなみを捕らえていた。
パーキングに停めてあるベンツのドアが開け放たれ、二人は後部席に押し込まれた。
「――きゃっ」
乱暴に扱われ、ほなみは悲鳴を上げる。あぐりも一瞬呻いたが、目を覚ます様子はない。
弾みでスカートの裾が太股まで捲れ、ほなみは男を睨みながら慌てて直すが、軽く鼻で笑われた。
男は助手席に乗り運転手に顎で合図し、車は静かに発進した。
「そうビクビクするな。取って食いはしない」
あぐりを心配して見つめるほなみに、男は涼やかな声で言う。
「私達をどうするの?け……警察に電話します!」
「そんな必要はない。お前が望む所へ今から行くんだからな」
「……え?」
「西本 祐樹のマンションまで、お前を連れていく」
「西君っ!?」
「……待ち合わせの時間に何度も電話したが、通じないと思って歩いてたら、キャンキャンうるさい女どもが
『西君に会いたい』とか何とか喚いてたから、お前達が岸ほなみと吉岡あぐりだと、すぐにわかった」
あの一部始終を見られていた事が恥ずかしくなり、ほなみは俯いた。
「祐樹が入れあげてる女が、どんなかと思っていたが……」
ミラー越しに冷たく笑う男と目が合って、ほなみは身体を固くする。
(なんという怪力なの……)
剛力な男には決して見えないのに、男の手は振りほどく事が出来ない程にしっかりとほなみを捕らえていた。
パーキングに停めてあるベンツのドアが開け放たれ、二人は後部席に押し込まれた。
「――きゃっ」
乱暴に扱われ、ほなみは悲鳴を上げる。あぐりも一瞬呻いたが、目を覚ます様子はない。
弾みでスカートの裾が太股まで捲れ、ほなみは男を睨みながら慌てて直すが、軽く鼻で笑われた。
男は助手席に乗り運転手に顎で合図し、車は静かに発進した。
「そうビクビクするな。取って食いはしない」
あぐりを心配して見つめるほなみに、男は涼やかな声で言う。
「私達をどうするの?け……警察に電話します!」
「そんな必要はない。お前が望む所へ今から行くんだからな」
「……え?」
「西本 祐樹のマンションまで、お前を連れていく」
「西君っ!?」
「……待ち合わせの時間に何度も電話したが、通じないと思って歩いてたら、キャンキャンうるさい女どもが
『西君に会いたい』とか何とか喚いてたから、お前達が岸ほなみと吉岡あぐりだと、すぐにわかった」
あの一部始終を見られていた事が恥ずかしくなり、ほなみは俯いた。
「祐樹が入れあげてる女が、どんなかと思っていたが……」
ミラー越しに冷たく笑う男と目が合って、ほなみは身体を固くする。