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Love adventure
第25章 あなたのもとへと②
「……こっちを向けよ」

 彼の低い声が聞こえたと同時に、両腕を乱暴につかまれた。

「きゃっ……」
「ほなみちゃん!」

 三広が目の色を変え立ち上がったが、綾波が部屋に入って来て三広を制した。

「……ここから先は邪魔だ」
「綾ちゃん……でもっ」

 綾波は、心配してこちらを見る三広を強引に連れて行き、一言、

「……後は上手くやれ。報告を忘れるなよ」

と、告げてドアをピチンと閉じた。
 部屋は、再び夜の様な闇に包まれた。
 暗くなってから気が付いたが、カーテンには星座の模様が浮かび上がって居る。
 ほなみは、西本に真っ直ぐに見つめられて、狼狽しながらも烈しくときめいていた。
 烈しく抱かれたあの夜に揺れていた、彼の髪は少し伸びて瞳を隠して居るが、彼が呼吸をすると微かにフワリと靡き、澄んだ輝きが垣間見える。そのたびにほなみの胸が苦しい程に早鐘を打つ。
 思わずまた目を逸らすと、グイと腰を抱き寄られた。
 彼は唇が触れてしまう程に顔を近付けて来る。

「……三広に頼まれたから来たのか」
「……」
「俺を殴りたくなるくらい、三広が大事か!」
「西君……?」

 ほなみは、彼の勘違いに、頬が緩みそうになっていた。

(西君……嫉妬してくれてる……の?)

「いつの間に……あいつと出来たのかよ……っ……クソッ……」

 激情を込めた声色で言うと、彼は突然ほなみから手を離し、悲しい目をした。

「いいよ……殴れよ。好きなだけ……」

 西本はほなみに向かって、無防備に両手を広げてみせる。

「違うよ……ただ私は……」
「ただ……何なんだよ」

 彼がゆっくりと近づいて来て、ほなみは後ずさる。

「……三広君……は、本当に西君の事を思ってるのに……あんな言い方をして酷いって思ったから……
 だって……三広君は、大切な仲間でしょ?」



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