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Love adventure
第30章 初恋ーー蒼い目覚め
「あ、岸君!」
ほなみは、気付いて手を振ってきた。
俺は、邪な目で見ていた事が後ろめたく、ぷいと無視してしまった。
ちらりと振り返ると、吉岡が俺に向かって顔をしかめて舌を出している。
――随分と嫌われたものだ。
……ほなみは、どうなのだろうか。俺を嫌っているのだろうか――
悶々と考えながら教室に向かうが、途中にある女子更衣室から物音が聞こえ、不審に思い近付いてみると、引き戸が少し空いている。
(――誰かいる)
そっと引き戸に手をかけて中に居る人物を確認すると、一気に開けた。
中に居る人物は弾かれたようにビクリと震え振り向いた。
「――これは村上副会長。こんな場所で何をしているんですか」
そこに居たのは、生徒会副会長の村上だった。
端正な顔を真っ赤にして口元をひきつらせている。
手には女子の下着が握られて居たが、俺の刺すような視線に気づくと、慌ててそれを棚に戻した。
「……なっ……何でもない!捜し物をしていただけだ!」
早口でまくし立て、出口に立つ俺をのけて部屋から出ようとしたが、俺は思い切り引き戸を閉めた。
指が挟まれ、彼は悲痛な叫びを上げた。
手を押さえて座り込む村上は、脅えたように俺を見上げる。
俺はすかさず奴の脚を踏み付けてやった。
「うっ」
村上は顔を歪めたが、俺は更に強く踏み付ける。
「……仁科ほなみの下着を探していたのか……?」
「ち……違う」
村上は、痛みに顔をしかめながら、首を振る。
(――白々しい嘘を……)
俺は、蒼白になり唇を震わす村上を見て、反吐が出そうになった。
ほなみは、気付いて手を振ってきた。
俺は、邪な目で見ていた事が後ろめたく、ぷいと無視してしまった。
ちらりと振り返ると、吉岡が俺に向かって顔をしかめて舌を出している。
――随分と嫌われたものだ。
……ほなみは、どうなのだろうか。俺を嫌っているのだろうか――
悶々と考えながら教室に向かうが、途中にある女子更衣室から物音が聞こえ、不審に思い近付いてみると、引き戸が少し空いている。
(――誰かいる)
そっと引き戸に手をかけて中に居る人物を確認すると、一気に開けた。
中に居る人物は弾かれたようにビクリと震え振り向いた。
「――これは村上副会長。こんな場所で何をしているんですか」
そこに居たのは、生徒会副会長の村上だった。
端正な顔を真っ赤にして口元をひきつらせている。
手には女子の下着が握られて居たが、俺の刺すような視線に気づくと、慌ててそれを棚に戻した。
「……なっ……何でもない!捜し物をしていただけだ!」
早口でまくし立て、出口に立つ俺をのけて部屋から出ようとしたが、俺は思い切り引き戸を閉めた。
指が挟まれ、彼は悲痛な叫びを上げた。
手を押さえて座り込む村上は、脅えたように俺を見上げる。
俺はすかさず奴の脚を踏み付けてやった。
「うっ」
村上は顔を歪めたが、俺は更に強く踏み付ける。
「……仁科ほなみの下着を探していたのか……?」
「ち……違う」
村上は、痛みに顔をしかめながら、首を振る。
(――白々しい嘘を……)
俺は、蒼白になり唇を震わす村上を見て、反吐が出そうになった。