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Love adventure
第30章 初恋ーー蒼い目覚め
「……お前は、彼女の下着を盗みに入った、そうなんだろうっ?」

 俺が、更に踏み付ける力を込めると、村上は情けない悲鳴を上げ、ブンブンと頷いた。

「た……頼む……誰にも言わないでくれ」
 
 俺は、ふっと笑い冷たく奴を見おろした。

「何を口止めするんだ?盗もうとしたことか?それとも……盗んだ下着を使い、お前がしようとした事……か?」

 胸に、どす黒い怒りが込み上げてくる。
 そうだ、こいつは、ほなみの下着を手に、その肌の感触や香りを想像し、汚ならしい欲を晴らそうと企んでいたのだーー
 許さない……お前などがそんな事を……!

「ピアノを弾く姿が好きだって?……笑わせるな……お前がどんな目で彼女を見てるのか、これで証明されたな。
 呼び出して、何をするつもりだった?えっ?」

 気付くと俺は奴の襟首を掴んでいた。
 村上はすっかり脅え唇をわなわな震わせている。

「ふん。ハンサムが台無しだな。そんなに怖がらなくても、殺しはしないさ……
 ただしお前が、ほなみに何かしたら……その時は――」

 余程俺が恐ろしい形相をしていたのだろうか。
 村上は、もげてしまうのではないかと思うほど激しく首を振り許しを乞うてきた。

「すいません!すいません!もう彼女には近づきませんから許してください!」

 俺は、村上に向かって振り上げていた拳をおろし、呼吸を整えた。

(落ち着くんだ……このままだと本当に殺してしまいそうだ……)

「黙っていてやる代わりにお前に頼みたい事がある」
「……?」
「仁科ほなみに近づこうとする奴が居たら、俺に逐一教えろ」
「……」
「返事が聞こえないぞ」
「ひっ……は、はい……わかりましたっ」

 声を大きくして威嚇すると、村上は身体中を震わせ、大きく頷いた。


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