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Love adventure
第31章 初恋ーー口づけ
しかしそんな俺でも、目の前でほなみがはらはらと涙を流し肩を震わせているのを見て胸が抉られる様な痛みを感じた。
俺はほなみの隣に座り、訊ねた。
「……何かあった?」
ほなみは濡れた目でじっと見つめて来たが、すぐに目をふせ涙を拭い、口の端を上げた。
どう見ても無理矢理な笑顔だった。
「……ううん。何でもない」
「何でもなくはないだろう?」
ほなみは、きょとんとしている。
「智也君が、心配してくれるの、珍しいかも」
「……酷いな」
俺は、深く傷付いた。
――こんなにも、君の事を思っているのに――
「ごめんなさい」
ほなみは、小さく謝る。
俺は、気が付くとほなみの手を握り締め、こう口走っていた。
「俺と付き合おう」
ほなみは目を丸くして絶句する。
「ご両親からも頼まれていたんだ。言ってたじゃないか。
『岸君に嫁に貰ってもらえ』て。
俺の両親もそれでいい、と言うはずだ」
「……嫁っ……」
ほなみは、目を白黒させている。
(違う。こんな言い方じゃなくて――何故、好きだ、とキッパリ言えないのか――)
俺は、表面は涼しい顔をしていたかも知れないが、胸が苦しい程激しく鳴っていた。 ほなみが今、何を思っているのか、知りたい。
だが、知るのが恐ろしい。
もしも、拒否されたら――
俺はほなみの隣に座り、訊ねた。
「……何かあった?」
ほなみは濡れた目でじっと見つめて来たが、すぐに目をふせ涙を拭い、口の端を上げた。
どう見ても無理矢理な笑顔だった。
「……ううん。何でもない」
「何でもなくはないだろう?」
ほなみは、きょとんとしている。
「智也君が、心配してくれるの、珍しいかも」
「……酷いな」
俺は、深く傷付いた。
――こんなにも、君の事を思っているのに――
「ごめんなさい」
ほなみは、小さく謝る。
俺は、気が付くとほなみの手を握り締め、こう口走っていた。
「俺と付き合おう」
ほなみは目を丸くして絶句する。
「ご両親からも頼まれていたんだ。言ってたじゃないか。
『岸君に嫁に貰ってもらえ』て。
俺の両親もそれでいい、と言うはずだ」
「……嫁っ……」
ほなみは、目を白黒させている。
(違う。こんな言い方じゃなくて――何故、好きだ、とキッパリ言えないのか――)
俺は、表面は涼しい顔をしていたかも知れないが、胸が苦しい程激しく鳴っていた。 ほなみが今、何を思っているのか、知りたい。
だが、知るのが恐ろしい。
もしも、拒否されたら――