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Love adventure
第34章 惑わすBEAT②
キ――ンというハウリングの不快な音が部屋にこだまする。
野村は少々眉をしかめ、長い指の掌で両耳を塞いだ。
「……俺はいつも十一時までには寝るんです」
「早!……あなた、それでもバンドマンなのっ?」
「本来の人間のサイクルは朝起きて、夜寝る形ですから……ふああ」
「……ふんっ!なんだか決まらない男ねっ!」
あぐりは、ピーチフィズのグラスを一気飲みして、思わず顔を綻ばせた。
「美味し――!ストレス溜まった時はやっぱり酒よね――」
カシスソーダのグラスに手を伸ばすが野村の大きな手が取り上げた。
「ちょっと!何してんのよ」
「焼肉屋でも居酒屋でも沢山飲んでましたよね。そろそろセーブしましょう」
「二日酔いになっても関係ないわよ――!飲ませなさい!」
「ソフトドリンクに変えましょうか」
野村はフロントへ注文するために部屋の電話を取る。あぐりが背中から抱き着くようにして彼の両腕をがしっとつかんだ。
長い柔らかい髪から甘い香がして、野村の鼻腔を擽る。
「……まだ飲むのよ――う……」
甘えるように耳元で囁く声。
野村は、自分の五感が痺れるのを感じた。
『お客様?ご注文は?』
電話機の向こうで店員の声がする。
野村は少々眉をしかめ、長い指の掌で両耳を塞いだ。
「……俺はいつも十一時までには寝るんです」
「早!……あなた、それでもバンドマンなのっ?」
「本来の人間のサイクルは朝起きて、夜寝る形ですから……ふああ」
「……ふんっ!なんだか決まらない男ねっ!」
あぐりは、ピーチフィズのグラスを一気飲みして、思わず顔を綻ばせた。
「美味し――!ストレス溜まった時はやっぱり酒よね――」
カシスソーダのグラスに手を伸ばすが野村の大きな手が取り上げた。
「ちょっと!何してんのよ」
「焼肉屋でも居酒屋でも沢山飲んでましたよね。そろそろセーブしましょう」
「二日酔いになっても関係ないわよ――!飲ませなさい!」
「ソフトドリンクに変えましょうか」
野村はフロントへ注文するために部屋の電話を取る。あぐりが背中から抱き着くようにして彼の両腕をがしっとつかんだ。
長い柔らかい髪から甘い香がして、野村の鼻腔を擽る。
「……まだ飲むのよ――う……」
甘えるように耳元で囁く声。
野村は、自分の五感が痺れるのを感じた。
『お客様?ご注文は?』
電話機の向こうで店員の声がする。